食材マップ:世界の味覚

【食材マップ】世界のターメリック料理:鮮やかなスパイスの多様な変身

Tags: ターメリック, スパイス, インド料理, タイ料理, ベトナム料理

ターメリックは、ショウガ科の植物であるウコンの根茎を乾燥させて粉末にしたスパイスです。鮮やかな黄色い色と、わずかに土っぽいような、ほろ苦い香りが特徴です。主に熱帯地域で栽培されており、特にインドでの生産量が豊富です。

ターメリックは、料理の色付けや風味付けとして世界中で広く使われています。ただ色を付けるだけでなく、独特の香りが料理に深みを与え、食欲をそそる効果もあります。また、古くから健康に良いスパイスとしても知られています。

ここでは、そんなターメリックが世界のさまざまな地域でどのように料理に使われているのかを見ていきましょう。

インドのカレー

インド料理におけるターメリックは、最も基本的なスパイスの一つです。様々な種類のカレーに使用され、料理全体に美しい黄色い色と独特の風味を加えます。玉ねぎやトマト、ショウガ、ニンニクなどと一緒に炒めたり煮込んだりすることで、ターメリックの香りが引き立ちます。肉や野菜、豆など、どんな具材とも相性が良く、インドカレーの風味と色の土台を作る重要な役割を果たしています。

タイのイエローカレー

タイ料理でもターメリックは欠かせないスパイスです。特に「イエローカレー」と呼ばれる種類のカレーペーストを作る際に使用されます。レモングラスやガランガル、唐辛子、エシャロットなど、他のハーブやスパイスと共にペーストにすることで、複雑で豊かな香りが生まれます。ココナッツミルクを加えて煮込むことで、クリーミーでマイルドながらも、ターメリックの存在感がある鮮やかな黄色のカレーに仕上がります。魚や鶏肉を使ったカレーによく使われます。

ベトナムのバインセオ

ベトナムの代表的な屋台料理の一つであるバインセオでも、ターメリックが活躍します。バインセオは、米粉を水やココナッツミルクで溶いた生地を薄く焼いた、クレープのような料理です。この生地にターメリックを加えることで、食欲をそそる鮮やかな黄色になり、見た目にも美しい仕上がりになります。カリッと焼かれた生地の中には、豚肉や海老、もやしなどが挟まれており、ヌクチャムという甘酸っぱいタレにつけて食べます。ターメリックは主に色付けの役割ですが、風味にも subtle な影響を与えます。

中東・北アフリカのライス料理

中東や北アフリカの一部の地域では、ターメリックはご飯を炊く際によく使われます。例えば、インドのビリヤニや中東のマクルーバ、北アフリカのクスクス料理などにターメリックが加えられることがあります。お米やクスクスと一緒にターメリックを加えて炊くことで、ご飯全体が食欲をそそる美しい黄色に染まります。ターメリックの香りがご飯に移り、肉や野菜の煮込み料理との相性も抜群です。シンプルながら、料理全体の彩りと風味を豊かにする効果があります。

ターメリックは、その鮮やかな色と独特の香りで、世界中のさまざまな料理に彩りと風味を与えています。カレーだけでなく、ご飯や飲み物、生地の色付けなど、その使い方は地域によって多岐にわたります。たった一つのスパイスが、これほど多様な料理に変身する様子は、世界の食文化の面白さを教えてくれます。