食材マップ:世界の味覚

【食材マップ】世界のバジル料理:爽やかな香りの変幻自在

Tags: バジル, ハーブ, 世界の料理, イタリア料理, タイ料理

バジルは、爽やかで甘みのある香りが特徴のハーブです。その香りは多くの人々に愛され、世界中の様々な料理に利用されています。料理に深みを与えたり、彩りを添えたりと、使い方も多岐にわたります。ここでは、この香り豊かなバジルが、世界の特定の地域でどのように使われているかを見ていきましょう。

イタリア:ジェノベーゼソース

イタリア北部、リグーリア州のジェノヴァが発祥とされる代表的なバジル料理です。新鮮なバジルを主成分に、松の実、ニンニク、パルメザンチーズ、ペコリーノチーズ、オリーブオイルなどをすり潰して作られる鮮やかな緑色のソースです。

このソースは主にパスタに絡めて食べられますが、パンに塗ったり、ピザのトッピングに使われたりもします。バジルのフレッシュな香りがソース全体の風味を決定づけており、口いっぱいに爽やかさが広がります。

タイ:ガパオライス(パッ・ガパオ)

タイ料理で非常に人気のある炒め物です。「ガパオ」とはタイ語でホーリーバジルのことですが、日本ではスイートバジルや他の種類のバジルが使われることもあります。鶏ひき肉や豚ひき肉を、魚醤(ナンプラー)、唐辛子、ニンニクなどと一緒に炒め、そこに刻んだバジルを加えて香りを移します。

ご飯の上に乗せて、目玉焼きを添えるのが定番のスタイルです。炒めることでバジルの香りが引き立ち、スパイシーなひき肉の味と組み合わさって、食欲をそそる一品となります。

ベトナム:生春巻き(ゴイ・クオン)やフォーの薬味

ベトナム料理では、生のままのバジルが様々な料理に添えられ、食卓で各自が自由に加えて食べることが一般的です。代表的なものとしては、ライスペーパーでエビや豚肉、米麺などと一緒に巻かれる生春巻きがあります。

また、鶏ガラや牛骨から取ったあっさりとしたスープの米麺料理であるフォーにも、テーブルに置かれた生のバジルをちぎって加えます。生のバジルは加熱された時とは異なる、よりフレッシュで清涼感のある香りを放ち、料理全体の風味を引き締めたり、深みを与えたりする役割を果たします。

まとめ

バジルは、イタリアのジェノベーゼソースのように主役として、またタイのガパオライスのように炒め物の香りのアクセントとして、さらにベトナム料理のように生の薬味として、世界の様々な地域で多様な方法で利用されています。その爽やかな香りは、異なる食文化の中でそれぞれの料理に個性的な風味を加えています。バジル一つをとっても、世界の食文化の多様さ、そして食材の持つ可能性の広がりを感じ取ることができます。