食材マップ:世界の味覚

【食材マップ】世界のミント料理:爽やかな香りの変幻自在

Tags: ミント, ハーブ, 世界の料理, モロッコ料理, ベトナム料理

ミントは、清涼感のある爽やかな香りが特徴のハーブです。一口にミントといっても様々な種類がありますが、料理によく使われるのはスペアミントやペパーミントなどです。生でサラダに加えたり、煮込み料理の風味付けに使ったり、飲み物やデザートのアクセントにしたりと、その使い道は非常に幅広く、世界中の様々な地域で親しまれています。

ここでは、ミントが世界の特定の地域でどのように使われているか、代表的な料理や調理法を見ていきましょう。

モロッコ:アッツァイ(ミントティー)

北アフリカのモロッコでは、甘くて香りの良い「アッツァイ」と呼ばれるミントティーが非常に一般的です。緑茶の茶葉とたっぷりのフレッシュミントの葉を使い、砂糖と一緒に煮出して作られます。小さなグラスに高い位置から注ぐのが特徴です。食事の後や休憩時間など、一日に何度も飲まれ、おもてなしの象徴でもあります。熱々の甘いお茶とミントの爽快感が組み合わさった、独特の味わいです。ミントはこの飲み物に欠かせない、主役の役割を果たしています。

中東/地中海地域:タブレ(タッブーレ)

地中海東部から中東にかけて広く食べられているサラダに「タブレ」があります。ブルグル(挽き割り小麦)またはクスクスを主成分とし、そこに刻んだトマト、きゅうり、パセリ、そしてたっぷりのフレッシュミントを加えます。オリーブオイルとレモン汁で和える、爽やかな味わいのサラダです。タブレにおけるミントは、パセリと共に鮮やかな緑色と清涼感のある風味を加え、料理全体のバランスを整える重要なアクセントとなります。生で使うことで、ミント本来の香りが際立ちます。

ベトナム:生春巻きやフォーの薬味

東南アジアのベトナムでは、ミントは料理の付け合わせや薬味として生で提供されることが多いハーブです。例えば、ライスペーパーで野菜や海老などを包んだ生春巻きには、ミントの葉も一緒に入れることがあります。また、鶏肉や牛肉を使った米麺のスープ「フォー」を食べる際には、バジルやコリアンダーなど他のハーブと共に、ミントの葉を添えて自分好みに加えて食べます。生のミントが加わることで、料理に爽やかさと清涼感がプラスされ、食欲をそそる効果があります。

イギリス:ミントソース

イギリスでは、ローストラム(仔羊のロースト)などの肉料理に添えられる「ミントソース」がよく知られています。細かく刻んだフレッシュミントの葉に、砂糖、酢、少量の熱湯を加えて作られるシンプルなソースです。甘みと酸味、そしてミントの清涼感が特徴で、特に脂の多い羊肉の風味を引き立て、後味をさっぱりさせてくれます。ミントはソースの主成分として、その独特の風味を提供します。

ミントは、お茶やサラダ、肉料理のソースなど、世界各地で様々な形で食されています。甘いものにも塩味のものにも合わせやすく、料理に清涼感や深みを加えることができる万能なハーブです。

これらの料理例を通して、ミントが単なる飾りではなく、各地域の食文化に深く根ざし、料理の味わいを豊かにする重要な役割を担っていることがお分かりいただけるかと思います。