【食材マップ】世界のパセリ料理:香りと彩りの万能ハーブ
パセリは、料理に鮮やかな緑の彩りと爽やかな香りを加えるハーブとして、世界中で親しまれています。飾りとして使われることが多いですが、刻んで料理に混ぜ込んだり、ソースの材料にしたりと、その使い方は多岐にわたります。
ここでは、パセリが世界の様々な地域でどのように料理されているかを見てみましょう。
中東:タブレ
タブレは、レバノンやシリアなどで食べられる代表的なサラダです。通常、細かく刻んだパセリを主成分とし、ブルグル(挽き割り小麦)やトマト、キュウリ、ミントなどと混ぜ合わせます。オリーブオイルとレモン汁でシンプルに味付けされており、パセリそのものの爽やかな香りと風味が料理のメインとなります。フワッとしたパセリの食感も楽しめます。
イタリア:グレモラータ
グレモラータは、イタリア北部でよく使われる香味料です。主に牛すね肉を煮込んだ「オッソブーコ」という料理の仕上げに用いられます。細かく刻んだパセリ、レモンの皮のすりおろし、そしてニンニクを混ぜ合わせたもので、これを熱々の料理の上に散らすことで、煮込みの濃厚さに爽やかさと香りをプラスします。パセリの緑色が料理に映え、食欲をそそります。
アルゼンチン:チミチュリソース
チミチュリは、アルゼンチンやウルグアイなどで、主に肉料理(特にアサードと呼ばれるバーベキュー)に添えられることの多いソースです。細かく刻んだパセリをベースに、ニンニク、オレガノ、酢、オリーブオイル、塩、唐辛子などを加えて作られます。サラッとした軽いソースで、焼いた肉の旨味を引き立てつつ、パセリのフレッシュな香りが口の中をさっぱりさせてくれます。
ヨーロッパ他:スープや煮込み料理の仕上げ
世界中で、パセリは様々なスープや煮込み料理の仕上げに欠かせない存在です。熱々の料理の上に、食べる直前に刻んだパセリを散らすことで、加熱によって失われやすいパセリの香りを閉じ込めることができます。また、鮮やかな緑色が料理全体を美しく見せる効果もあります。風味付けと彩りの両面で、料理をワンランクアップさせる役割を果たします。
まとめ
パセリは、単なる添え物や飾りではなく、タブレのように主役になったり、グレモラータやチミチュリのように料理の風味を決定づける重要な役割を担ったりと、世界の多様な食文化の中で様々な形で活用されています。その爽やかな香りと鮮やかな緑色は、多くの料理にフレッシュさと彩りを与え、食卓を豊かにしています。