【食材マップ】世界のオクラ料理:ネバネバ野菜の多様な魅力
オクラは、夏が旬の緑色の野菜です。独特のネバネバとした食感と、さやの中に小さな種が並んでいるのが特徴です。このネバネバの正体は、食物繊維の一種であるペクチンやムチンといった成分です。栄養が豊富で、様々な国の料理に使われています。ここでは、そんなオクラが世界でどのように調理され、どんな料理になっているのかを見ていきましょう。
オクラが使われる世界の料理例
オクラは、煮込み、炒め物、揚げ物、和え物など、多様な調理法で楽しまれています。そのネバネバは料理にとろみをつけたり、他の食材と絡みやすくしたりする役割も果たします。
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インド:オクラのサブジやカレー インドでは「ビンディ(Bhindi)」と呼ばれ、非常にポピュラーな野菜です。スパイスと一緒に炒めたり煮込んだりする「サブジ(Sabzi)」によく使われます。オクラをそのまま、または輪切りにして、クミンやターメリック、コリアンダーなどのスパイスと玉ねぎ、トマトなどと一緒に炒め合わせます。オクラのネバネバが控えめになり、ホクホクとした食感が楽しめます。カレーの具材としても使われ、スパイスの風味とオクラの食感が良いアクセントになります。
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アメリカ南部:ガンボ アメリカ南部のルイジアナ州などで親しまれている煮込み料理が「ガンボ(Gumbo)」です。ガンボは、肉や魚介類、野菜などを煮込んだ料理で、オクラも主要な具材の一つとして使われます。オクラを加えて煮込むことで、そのネバネバがスープにとろみを与え、濃厚な味わいに仕上がります。セロリ、ピーマン、玉ねぎと共に使われることが多く、スパイシーでコクのある味わいです。
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日本:和え物や汁物 日本では、オクラはさっと茹でて和え物にするのが定番です。かつお節や醤油でシンプルに和えたり、ごま和えにしたりします。茹でることでネバネバが増し、つるりとした食感になります。また、味噌汁の具材としても使われます。味噌汁に加えることで、汁にとろみがつき、優しい口当たりになります。冷奴に乗せたり、納豆に混ぜたりと、生のまま(軽く茹でて)薬味のように使うことも多いです。
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中東・北アフリカ:バミヤ(Bamia) エジプトやトルコ、ギリシャなど、中東から北アフリカにかけての地域では「バミヤ(Bamia)」と呼ばれるオクラを使った煮込み料理があります。トマトベースのソースで、肉(ラムやビーフなど)や他の野菜と一緒にオクラをじっくり煮込みます。オクラはネバネバが出すぎないように、丸ごと使ったり、煮込み時間を調整したりすることがあります。トマトの酸味と肉の旨味、そしてオクラの食感が組み合わさった、滋味深い味わいの料理です。
まとめ
オクラは、その独特のネバネバとした食感を活かしたり、逆に控えめにしてホクホク感を楽しんだりと、世界各地で様々な方法で調理されています。日本の和え物のようにネバネバを前面に出す料理もあれば、インドのサブジや中東のバミヤのように煮込みや炒め物で異なる食感を楽しむ料理もあります。一つの食材が、地域によって全く異なる姿に形を変えるのは、世界の食文化の興味深い一面です。ぜひ、様々な国のオクラ料理を試してみてはいかがでしょうか。