【食材マップ】世界のシナモン料理:甘くスパイシーな香り
シナモンとは
シナモンは、クスノキ科の樹皮を乾燥させて作られるスパイスです。甘く独特な香りが特徴で、古くから世界中で利用されてきました。お菓子や飲み物に使われるイメージが強いかもしれませんが、世界にはシナモンを使った savoury(塩味・甘くない)な料理も数多く存在します。ここでは、シナモンの多様な世界を覗いてみましょう。
世界のシナモン料理例
シナモンは、その甘い香りとほろ苦さが、さまざまな食材と組み合わさることで、予想外の美味しさを生み出します。世界の食卓では、シナモンがどのように活躍しているのでしょうか。
中東・北アフリカの煮込み料理
- 地域: モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどの北アフリカ諸国や、中東の一部地域
- 料理の種類: 肉や野菜の煮込み料理(タジンなど)
- 役割: 肉の臭みを消し、料理に深みのある甘い香りと風味を加えるアクセントとして使われます。
- イメージ: 甘くスパイシーな香りの煮汁が、ホロホロになった肉や野菜に絡みます。クミンやコリアンダーなどの他のスパイスと共に使われることが多く、エキゾチックで複雑な味わいになります。日本の肉じゃがのような煮込み料理とは全く異なる風味の世界です。
北欧・ヨーロッパの焼き菓子
- 地域: スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国、ドイツなどヨーロッパ各地
- 料理の種類: パン、ケーキ、クッキーなどの焼き菓子
- 役割: 生地やフィリングに練り込んだり、表面に振りかけたりして、甘い香りと風味の主役となります。
- イメージ: シナモンロールのように、ふわふわのパン生地にバター、砂糖、シナモンを巻き込んで焼くと、焼き上がりの香りが食欲をそそります。アップルパイに使うと、リンゴの酸味とシナモンの香りが絶妙に調和します。温かい紅茶やコーヒーと一緒に楽しむのが一般的です。
インドのカレーやチャイ
- 地域: インド全域
- 料理の種類: 肉や豆、野菜の煮込み料理(カレー)、スパイスティー
- 役割: 他の数十種類のスパイスと共に、カレーの複雑な風味を作り出す要素の一つとして使われます。また、飲み物に甘い香りを加えます。
- イメージ: カレーでは、クローブ、カルダモン、クミンなどと一緒に炒めたり煮込んだりすることで、風味の層を厚くします。チャイでは、紅茶葉、牛乳、砂糖と共に煮出され、体を温める甘くスパイシーな飲み物として親しまれています。
メキシコの飲み物やデザート
- 地域: メキシコ
- 料理の種類: 温かい飲み物、米を使ったデザート
- 役割: 飲み物に温かさと甘い香りを加えたり、デザートの風味付けに使われます。
- イメージ: ホットチョコレートにシナモンスティックを入れて煮出すと、いつものココアとは違う、奥深い香りの飲み物になります。アロス・コン・レチェ(牛乳で煮込んだ米のデザート)では、シナモンの香りがミルクと米の甘さに優しく溶け込み、素朴で温かい味わいになります。
まとめ
シナモンは、お菓子だけでなく、肉料理や飲み物、デザートまで、世界の実に多様な料理で使われています。地域によって他のスパイスとの組み合わせ方や、料理の中で果たす役割も異なり、その活用法は非常に幅広いことが分かります。たった一つのスパイスが、世界の食文化にこれほど豊かな彩りを加えていることは、食材の多様性と料理の奥深さを改めて感じさせてくれます。いつもの料理に少しだけシナモンを加えて、世界の味覚を旅してみてはいかがでしょうか。