【食材マップ】世界のバナナ料理:南国の恵みの多様な利用法
バナナは甘くて栄養豊富なフルーツとして世界中で親しまれています。しかし、バナナの利用法はそのまま食べるだけ、あるいはデザートにするだけではありません。世界各地では、様々な種類のバナナが、甘くないおかずや主食、調味料にまで幅広く利用されています。今回は、バナナが世界の食卓でどのように活躍しているのか、いくつかの例をご紹介いたします。
フィリピン バナナケチャップ
フィリピンで広く使われている「バナナケチャップ」は、熟したバナナを主な原料とした甘みのある調味料です。トマトケチャップの代用品として開発された歴史を持ち、バナナに砂糖、酢、スパイス、そして特徴的な赤い色をつけるための着色料などを加えて作られます。トマトケチャップよりも甘みが強く、独特の風味があり、フライドチキンやスパゲッティなどの料理によく合わせられます。
インドネシア ピサンゴレン
インドネシアやマレーシアなどの東南アジアで人気のあるおやつ、「ピサンゴレン」は、バナナの揚げ物です。一般的には、サババナナやバナナ・ラジャといった、そのままでは少し硬い料理に適した種類のバナナが使われます。これらのバナナを衣にくぐらせて油で揚げると、外はカリッと、中はホクホクとした食感になります。砂糖をまぶしたり、チーズやチョコレートソースなどをかけたりして、様々なバリエーションで楽しまれています。
カリブ海・西アフリカ フライドプランテーン
「プランテーン」は、日本のスーパーなどではあまり見かけませんが、バナナの仲間で、デンプン質が多く、そのままでは甘みが少ないのが特徴です。カリブ海地域や西アフリカでは、このプランテーンが主食や付け合わせとして重要な役割を果たしています。「フライドプランテーン」は、熟し具合によって異なる風味や食感を楽しめる料理です。熟す前の青いプランテーンを揚げると、ポテトフライのようにホクホクとして塩味によく合います。熟して黄色や黒くなったものを使うと、甘みが増してデザート感覚でいただけます。
タイ クルーアイ・ブワット・チー
タイの伝統的なデザート、「クルーアイ・ブワット・チー」は、バナナをココナッツミルクで煮込んだ温かいデザートです。熟したバナナを輪切りにし、濃厚なココナッツミルクと砂糖、そして少量の塩を加えてじっくりと煮込みます。塩味が甘みを引き立て、とろりとしたココナッツミルクとバナナの柔らかい食感が特徴です。食後のデザートやおやつとして、タイの人々に愛されています。
これらの料理例からもわかるように、バナナはフルーツとしてだけでなく、地域ごとの食文化に合わせて様々な形で調理されています。甘いデザートから甘くないおかず、さらには調味料まで、その利用法は非常に多様です。世界各地の食卓でバナナがどのように活用されているかを知ることは、世界の食文化の面白さを発見するきっかけとなるでしょう。